柚木がカバーデザインをした ちくま学芸文庫の1冊。
民藝の父、柳宗悦の著作物は膨大で22巻の全集として筑摩書房から発行されているが、その中から「ひと」「もの」「こころ」という視点で後世に柳の思想を伝えるためにまとめられた文庫版シリーズの第3巻。
著者:柳宗悦
監修:日本民藝館
編集協力:柳宗理、鶴見俊輔、水尾比呂志、阿満利麿
カバーデザイン:柚木沙弥郎
発行:筑摩書房
刊行日: 2011/04/06
判型:文庫判
ページ数:432
以下、出版社の書籍案内から転記
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たくさんの美しいものに触れ、もの作りの現場に足しげく通った柳は、美を生む上で人間の「自我」が大きな障壁になっていることを確信する。ではどうしたらそれを克服することができるのか…。自我からの解放を説く仏教に若き日から親しみ、苦悩しながらもの作りにたずさわる仲間を持つ柳は、その難しさを痛感していた。思案のさ中、彼の眼に『大無量寿経』の中の一節「無有好醜の願」が飛込む。もはや美醜などない、全てのものは既に救われている、とするその一文を手掛りに、柳はどんな作り手でも「無」の境地に至り、美しいものを生み出すことのできる道を編み出していく。
この本の目次
妹の死
死とその悲みに就て
亡き宗法に
私の念願
美の宗教
美の法門
無有好醜の願
美の浄土
法と美
不二美
仏教美学について
民藝美の妙義
安心について
凡人と救い
無謬の道
伝統の形成
心偈(抄)